幼稚園での子育て相談をお受けして一年経ちました。

たくさんのお母さんとお話させていただきました。

ため息、涙、笑顔、希望・・・私も一緒にお悩みに向き合わせていただきました。

・漠然とした不安でいっぱい。
・子どもを責める自分をさらに責めてしまう。
・今、どうにもならない環境(ワンオペ育児)に深いため息をついてしまう。

そんな時は話を聞き、一緒に幼稚園ができることや、ちょっと出来そうな一歩を見つけていくお手伝いをしています。

私はご自身をそこまで責める必要はないとおもうのです。
相談に来られた方は、母親として、精一杯、3年、4年の育児を頑張ってこられました。

子どもを産んで数年間、ほとんど自分の思う通りに時間が使えないんです。よく頑張ってますよ。世の中の子育て中の方!

残念ながら、どんなに自分を責めたとしても、
目の前の子どもを健やかに育てていくのに、
その感情は自分を追い詰めるだけで、何も役に立たないのです。

また、子どもが変わってほしい、と思ったとしても、
それも神様じゃない限り、出来ないのです。

役に立つ考え方は一つ。

「そのために、自分が、この子に対して何ができるだろうか」

という視点、気づきを持つこと。

その視点が出来た保護者の方には、次のステップでお話を進めます。

今のお子さんの身体の状態を観察します。

それから、園での集団生活のようすを観察。

さらに、お家での様子を聞いて。

その上で、お家でできる、無理のない動きを提案します。

在園中はご希望があればフォローします。

一年を通して継続的に関わっているお母様から「臨床心理士さんより緊張しないし、身近に感じる」との言葉をいただきました。心理の専門家さんだと、無意識に構えてしまうのだそうです。(まあ、私もお医者さんを前にすると無意識に血圧が上がるような気がしますw)

とはいえ、やはり、専門の先生のアドバイスはとても為になるとおもうので、つながる必要があるなら、はやめに、、、と思います。でも療育機関につながるまでに半年かかることはざらです。

だからこそ、専門家の先生達に関わる一歩手前を、丁寧に拾う保育士、教師がいてもいいと思うのです。

すでに療育に関わっている親御さんからは「療育は時間が短いし、質問しても『こんな質問してもいいのかな』と思ってしまうから(療育の先生に)なんかいいづらくて」と、私に素朴な質問をしてくるのです。無意識な苦手意識ってあるのでしょうね。専門の先生だって「なんでも質問してください」と思っていると思うのですが・・・。

そんな経験があるので、これからは、保育の現場に、専門的知識を積極的に勉強していく保育士や幼稚園教諭が必要なのだなと思います。

「こども好きです」だけでは十分とはいえない時代なのです。私もブレインジムをはじめ、「マニアックな勉強してるよな・・・」とおもったのですが、その数年後にこんなに現場で活かせているとは思いませんでした。


「自分の子育てで落ち込んでいたけど、もうそれは吹っ切れましたから!」といって、前を見ているお母さん。もうそこには迷いはありません。

面談ごとに、どんなに些細な成長であっても、お子さんの発達を共に喜びあっています。もう次のステップだなとおもったら、新たな体のアプローチを提案しています。

ですから、小さな一歩でも、踏み出した方がいい。
踏み出さないよりは、小さくてもそこには変化がある。

その変化を一緒に見守る相手が幼稚園にはたくさんいます。

そんな風に一年間子育て相談を受けてまいりました。

人は有機的な生き物。一定ではありません。

前をみていたとしても、時には気持ちが落ちるときもあるでしょう。

そうしたら、また気持ちをおちつけるために、ご自身で気分転換をはかることでしょう。

それでも煮詰まったら、また幼稚園にお話に来てほしい、そう思います。

幼稚園は、子どもを教育する場だけではないです。

決して一人ではできない育児を、共に支えていくもう一つの場でもあるのですから。